予約の電話は、店舗やクリニック、サロンにとって欠かせない入口です。一方で、接客や施術の最中に電話が鳴ると手を止めることになり、営業時間外にかかってきた電話は、そのまま予約を取りこぼすことになります。
結論を先に書くと、希望日時と連絡先を聞いて予約を登録するような、決まった流れの電話はAIに任せ、個別の判断が必要な電話は人が受けるという分け方で、電話予約の受付を自動化できます。この記事では、AIが電話で予約を受け付ける流れ、予約システムが無い場合の始め方、AIに任せる電話と人が受ける電話の分け方、導入の前に確認しておくことを説明します。
電話予約の受付で起きていること
電話で予約を受け付けている現場では、次のようなことがよく起きます。
- 接客や作業の途中で電話に出るため、目の前の仕事が中断する
- 営業時間外や休業日の電話に出られず、予約の機会を逃す
- 電話が重なったときに、後からかけてきた人を待たせてしまう
- 聞き取った内容を、予約台帳 (紙や表計算ソフトの台帳) や予約システムに書き写す手間がかかる
予約の電話の多くは、「希望の日時を聞く」「空きを確かめる」「名前と連絡先を聞く」「予約内容を伝える」という決まった流れで進みます。流れが決まっている電話ほど、AIに任せやすくなります。
AIは電話予約をどう受け付けるか
AIが電話に出ると、相手の話を聞き取って、声で応答します。たとえば「明日の10時、空いていますか」という電話なら、AIは次の流れで受け付けます。
- 希望の日時を聞き、空きを確かめる (予約システムとつないでいる場合)
- 名前と連絡先を聞き取り、予約を登録する
- 予約の内容を伝え、確認の連絡を送る
「予約は1番、それ以外は2番」のように番号を押してもらう自動音声とは違い、相手が話した言葉から用件を聞き取って応答します。話の途中で「やっぱり11時で」と日時を言い直されても、言い直した日時で受け付けます。
ただし、AIはどんな会話にも対応できるわけではありません。答えられない質問や判断が難しい内容は、無理に答えずに用件と連絡先を受け付け、担当者へ引き継ぐ形にしておくのが基本です。
予約の変更やキャンセルも受け付けられる
予約の電話には、新しい予約だけでなく、日時の変更やキャンセルも含まれます。予約システムとAIをつないでおけば、変更の電話も受け付けられます。
たとえば予約の変更なら、AIが変更したい日時と連絡先を確かめ、つないである予約システムの情報を確認・更新します。そのうえで変更後の内容を電話で伝え、確認のSMS (携帯電話番号あてに送る短いメッセージ) を送ります。電話を切ったあとに予約システムや台帳を直す作業がいらなくなります。キャンセルの電話も同じように、予約を確かめて取り消しを受け付けられます。
予約システムとつなぐには、そのシステムがAPI (システム同士がデータをやり取りする窓口) を用意している必要があります。予約システムを使っていない場合や、つなげない場合の始め方は、次の節で説明します。
予約システムが無い場合:データベースを予約台帳として使う
予約システムを使わず、紙の台帳や表計算ソフトで予約を管理しているお店もあります。その場合でも、AgenFlowの「データベース」機能を予約台帳の代わりに使えば、予約の受付を始められます。予約システムはあってもAPIが無くてつなげない場合も、同じ方法で始められます。
データベースは、AgenFlowの中に表の形でデータを保存しておく機能です。AIが電話で聞き取った希望日時・名前・連絡先・予約の内容を、1件ずつデータベースに記録できます。電話を切ったあとに台帳へ書き写す必要はありません。
ただし、データベースは空き枠を自動で管理する仕組みではありません。記録した希望日時は、担当者が空きを確かめてから確定します。
データベースを業務フロー (決まった処理を自動で進める仕組み) と組み合わせると、予約が記録されたときに担当者へメールやチャットで知らせる、といった使い方もできます。データベースそのものは、AgenFlowの無料のプランでも使えます。
空き枠の管理や、複数の担当者・部屋の割り当てまで自動化したい場合は、予約システムとつなぐほうが向いています。まずはデータベースに予約を記録する形で始め、件数や運用が固まってから予約システムを検討する、という進め方もあります。
AIに任せる電話と人が受ける電話の分け方
すべての電話をAIに任せる必要はありません。電話の内容に応じて、AIが受ける電話と人が受ける電話を分けるのが現実的です。
| AIに任せやすい電話 | 人が受けたほうがよい電話 |
|---|---|
| 予約の受付・変更 | 個別の判断が必要な相談 |
| 営業時間・休業日の案内 | 苦情やトラブルの連絡 |
| 場所や駐車場など、決まった質問への回答 | 団体・貸し切りなど条件の相談 |
| 折り返しの依頼の受付 | 常連のお客様からの個別の依頼 |
人が受ける電話に切り替えるときは、AIが聞き取った用件の要約を担当者へ渡せます。担当者は最初から用件を聞き直す必要がなく、すぐに本題に入れます。担当者が手を離せないときは、連絡先と折り返しの希望時間帯を受け付けて、担当者に知らせることもできます。
AIが応対していることは、最初に伝えておくことをおすすめします。「AIが受け付けます」と先に伝えておくと、かけてきた人も話し方を合わせやすくなります。
AIが電話で聞く項目を決める
AIで予約を受け付けるには、電話で何を聞くかを先に決めておきます。今、人が電話で聞いている項目を書き出すと、そのまま応対の流れのもとになります。
多くの業種で共通して聞くのは、次の4つです。
- 希望の日時 (第2希望があれば、それも)
- 名前
- 連絡先の電話番号
- 予約の内容 (どのコース・サービスか)
これに、業種ごとの項目を足していきます。
| 業種の例 | 足す項目の例 |
|---|---|
| 飲食店 | 人数、席の希望、子ども連れかどうか |
| 美容室・サロン | メニュー、担当者の指名、初めての来店かどうか |
| 習い事・教室 | 体験か本予約か、参加する人の年齢 |
| クリニック・整骨院 | 初めてか2回目以降か、受診したい内容 |
項目を増やしすぎると、電話が長くなり、かけてきた人の負担になります。電話では予約に欠かせない項目だけを聞きます。細かい内容は、来店時や確認の連絡で補えば、電話を短く済ませられます。
聞き取る項目の名前を、予約システムの項目名やデータベースの列名とそろえておくと、どの項目をどこに記録するかを設定するときに迷いません。
導入の前に確認しておくこと
電話予約の受付をAIに任せる前に、次の4点を確認しておくと進めやすくなります。
- 任せる電話の種類 最初から全部を任せず、「新しい予約の受付」のように1種類から始めます。応対の様子を見てから、変更やキャンセル、営業時間の案内へと広げていきます。
- 予約システムとつなげるか 今使っている予約システムにAPIがあるかを確認します。つなげる場合は、予約の登録や変更まで自動化できます。予約システムが無い場合や、APIが無くてつなげない場合は、AgenFlowのデータベースに記録する形から始められます。
- 今の電話番号を使えるか 今の電話番号をそのまま使えるかどうかは、回線や番号の種類によって違います。導入前に相談して確かめておきます。
- 応対の内容を誰が直すか 聞き方や案内の文言は、実際の電話を聞いて少しずつ直していくものです。現場の担当者が自分で直せる仕組みかどうかを確認しておきます。
AgenFlowのAIオペレーターでできること
AgenFlow (エージェンフロー) の「AIオペレーター」は、電話の受付・発信を担うAIです。電話予約の受付では、AIオペレーターが次のように応対します。
希望日時と連絡先を聞き取って予約を登録し、確認の連絡を送ります。営業時間外や休業日の電話にも24時間応答し、複数の電話が同時にかかってきても、それぞれに応答します。予約システムや顧客管理システムなど、APIのあるシステムとつなげば、電話をしている間に、予約の確認・更新や記録までできます。予約システムが無い場合は、AgenFlowのデータベースに予約を記録できます。
人が受けるべき電話は、会話の文字起こしと要約を添えて担当者へ引き継ぎます。聞き方や案内の内容は、担当者が画面で直せます。直した内容は、そのあとにかかってくる電話から反映されます。
従業員が数名のお店や事業所向けのAIオペレーターのプランは、現在準備中です。AIオペレーターによる電話の受付の流れは、受電の自動化のページで紹介しています。
まとめ
- 予約の電話は流れが決まっているものが多く、AIに任せやすい電話です。
- AIは希望日時と連絡先を聞き取り、予約を登録して確認の連絡を送れます。予約システムとつなげば、変更やキャンセルも受け付けられます。
- 予約システムが無くても、データベースを予約台帳の代わりに使って、予約の受付を始められます。
- 個別の判断が必要な電話は人が受け、AIは用件の要約を添えて引き継ぎます。
- 導入を考えるときは、任せる電話を1種類に絞り、予約の記録先 (予約システムかデータベースか)・今の電話番号・応対の直し方を先に確認します。
まずは、1日にかかってくる電話のうち、予約の電話がどれくらいあるかを数えるところから始めてみてください。


